朝の8時半、片瀬江ノ島駅に着いた瞬間から、 今日の旅ランはもう始まっていた。 竜宮城みたいな駅舎の前に立つと、 海へ向かうランのスイッチが自然に入る。

短パンを脱ぐだけの簡単な準備を済ませて、 海の家がずらっと並ぶスタート地点へ向かう。

潮の匂いは“これぞ海”という素朴な香りで、 風は程よくあって走りやすい。 台風の影響なのか白波が多くて、 海は少し荒々しい表情をしていた。
走り出すと、夏の江の島らしい景色が一気に広がる。 サーフボードを横に積んだ自転車が何台もすれ違い、 上半身裸のランナーが軽やかに駆け抜けていく。 普段の生活では絶対に見ない光景で、 「夏だなぁ」と思わずテンションがあがってしまう。

天気が良かったので、富士山が見えた。 最初は左斜め前に見えていた富士山が、 走るにつれて少しずつ右側へ移動していく。 海沿いの道は単調だけど、 富士山の位置の変化が旅ランの“進んでいる感”をくれる。

テンションが上がってしまい、 キロ6分の予定が気づけば5分半ペース。 そのまま6kmくらいまで押し切ったけれど、 暑さもあってだんだん疲れてきて、 歩いたり走ったりを繰り返すようになった。 海沿いの道は景色の変化が少なくて、 「永遠に続く一本道だなぁ」と思いながら進む。

道の駅湘南ちがさきに着いたのはちょうど10km。 旅ランのゴールとしてちょうどよく、 海風を感じながらゆっくり呼吸を整えた。

そのあとはクールダウンも兼ねて2kmほど歩いて、 スパ施設へ向かう。

最初のシャワーを浴びた瞬間が今日一番ほっとした時間だった。 お風呂の種類も多くて、サウナも広くて快適。 混雑もそこまでなく、 旅ランの締めとして最高の場所だった。

帰りは送迎バスで茅ヶ崎駅まで戻り、 夏の海沿いランの余韻を感じながら家路についた。
江の島から茅ヶ崎までの海沿い10kmは、 景色の楽しさと夏の空気が詰まった旅ランだった。 富士山に向かって走る時間は特別で、 海の匂い、白波、サーファー、裸ランナー、 全部が“夏のランニング”を象徴していた。
また季節が変わったら、 違う表情の海を見に走りに来たいと思う。

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